
こんにちは。松村歯科医院です。
「最近、食べこぼしが増えた」
「食事中にむせることが多くなった」
「滑舌が悪くなった気がする」
「硬いものが食べにくくなった」
こうしたお口の変化に、心当たりはありませんか?
噛む、飲み込む、話すといったお口のはたらきは、年齢とともに少しずつ弱まることがあります。このような、お口のささいな衰えが重なった状態を「オーラルフレイル」と呼びます。
「食事はできているから、まだ大丈夫」と感じている方も多いかもしれません。けれども、小さな変化をそのままにしておくと、お口の機能がさらに低下してしまうことがあります。
今回は、オーラルフレイルとはどのような状態なのか、主な症状やセルフチェックの方法、普段からできる予防法について、順を追ってお話しします。
オーラルフレイルとは?
ひとことでいえば、「お口のはたらきが少しずつ衰え始めている状態」のことです。
日本老年歯科医学会などでは、オーラルフレイルを「健康なお口」と「口腔機能が低下した状態」の中間にあるものと位置づけています。
歯の本数が減ったり、食べにくさや話しにくさを感じたり。こうした小さな変化がいくつも重なると、将来、お口の機能がさらに低下するおそれがあります。
一方で、早めに気づいて対応することで、お口の機能を保ったり、改善につなげたりできる時期でもあります。
健康なお口 → オーラルフレイル → お口の機能低下
このような流れで考えると、イメージしやすいかもしれません。
だからこそ、症状がはっきり出てからではなく、「最近ちょっと変わってきたかも」という段階で気づくことが大切です。
オーラルフレイルの主な症状・サイン
オーラルフレイルは、ある日突然、はっきりとした症状が現れるとは限りません。次のような、お口のちょっとした変化がサインになることがあります。
- 食べこぼしが増えた
- 硬いものが食べにくくなった
- お茶や汁物などでむせることが増えた
- 以前より滑舌が悪くなった
- お口が乾きやすくなった
どれも、普段の暮らしの中では「年のせいかな」と見過ごしてしまいやすい変化です。
けれども、こうした小さな変化が、オーラルフレイルに早く気づくための手がかりになります。
ご自身でできるセルフチェック

オーラルフレイルの可能性は、ご自身でも簡単にチェックできます。
日本老年歯科医学会などでは、その目安として「OF-5(オーラルフレイル5項目チェック)」を示しています。まずは、次の5つを確認してみてください。
- 自分の歯が19本以下である
- 半年前と比べて、固いものが食べにくくなった
- お茶や汁物などでむせることがある
- 口の渇きが気になる
- 普段の会話で、言葉をはっきりと発音できないことがある
このうち2つ以上に当てはまる場合、OF-5ではオーラルフレイルに該当すると判断されます。
なお、「自分の歯」を数えるときは、さし歯や金属をかぶせた歯も含めます。インプラントは含みませんので、ご注意ください。
当てはまる項目があっても、それだけで心配しすぎる必要はありません。
「以前と少し違うな」という変化に気づき、お口の状態を見直すきっかけにしていただければと思います。
オーラルフレイルをそのままにするとどうなる?
お口は、食べるためだけに使っているわけではありません。噛む、飲み込む、話すなど、毎日のさまざまな場面で使われています。
オーラルフレイルが進むと、食べられるものが限られてきたり、食事の量が減ったりと、食生活に影響が出ることがあります。
また、滑舌が悪くなって会話が減るなど、人との関わりに影響する場合もあります。
さらに、オーラルフレイルはお口だけの問題ではなく、体全体の衰えである「フレイル」とも関係しています。
「まだ困っていないから大丈夫」と思わず、少し気になる変化があれば、早めにお口の状態を確認しておくと安心です。
オーラルフレイルを予防する方法
オーラルフレイルを防ぐには、普段からお口をしっかり使い、よい状態を保っておくことがポイントです。
歯とお口を清潔に保つ
毎日の歯みがきや歯間ケアで、むし歯や歯周病を予防しましょう。
歯を健康に保ち、しっかり噛める状態を維持することは、お口の機能を守ることにもつながります。
しっかり噛んで食べる
毎日の食事でよく噛むことも、お口を使う大切な機会のひとつです。
無理のない範囲でいろいろな食材を取り入れながら、よく噛んで食事を楽しんでください。
舌やくちびるを動かす
舌やくちびる、頬などを動かす口腔体操も、お口の機能を保つ方法のひとつです。
普段の生活の中でも、意識してお口を動かす時間をつくってみてください。
人と話す機会を大切にする
「話す」ことも、舌やくちびるを動かす大切な機会です。
ご家族やご友人との会話を楽しみながら、日常の中でお口を動かす時間を増やしていきましょう。
定期的に歯科医院を受診する
お口の変化の中には、ご自身では気づきにくいものもあります。
定期的に歯科医院で状態を確認しておくと、むし歯や歯周病だけでなく、お口の機能の変化にも気づきやすくなります。
【神戸】松村歯科医院では定期検診で「お口の機能」もチェックしています

当院では、むし歯や歯周病の確認に加えて、「噛む・飲み込む・話す」といったお口の機能にも目を向けています。
定期検診の際には、年齢やお口の状態に合わせて、必要に応じてお口の機能が低下していないかを調べる検査を行っています。
検査の内容は、たとえば次のようなものです。
- 舌の汚れ(舌苔)の状態
- 歯の本数や噛み合わせ
- 発音しながら舌やくちびるの動きを確認
- 専用の機器を使った、お口のうるおいや噛む力の測定
これらの中から、その方のお口の状態に合わせて必要な項目を確認していきます。
検査は比較的簡単なものが中心です。普段の生活ではなかなか気づけない、「お口のちょっとした衰え」を知るきっかけにもなります。
結果をふまえて、お口のケアや舌・くちびるのトレーニングなど、お一人おひとりに合った方法をご案内しています。
オーラルフレイルは「早めの気づき」が大切です
「少し噛みにくくなった」
「以前より舌が動かしにくい」
「お口が乾きやすくなった」
こうした小さな変化に早めに気づくことが、オーラルフレイル対策の第一歩です。
定期検診は、むし歯を探すためだけのものではありません。
「歯を守る」ことに加えて、「お口の機能を守る」ことも大切です。
いつまでもご自身のお口でおいしく食事をし、元気にお話しできるように。
松村歯科医院では、むし歯や歯周病のチェックとあわせて、お口の機能の変化にも気を配っています。
- 「最近むせることが増えた」
- 「以前より硬いものが食べにくくなった」
- 「自分もオーラルフレイルかもしれない」
そんな気がかりがある方は、定期検診の際にどうぞお気軽にスタッフへお声がけください。
執筆者プロフィール

院長 松村 健司
松村歯科医院
神戸っこ小児歯科・矯正歯科診療室
経歴
大阪歯科大学卒業
2009年-2014年 医療法人幸恵会カツべ歯副院長
第32回日本顎咬合学会学術大会 ポスター発表カボ賞受賞
所属
日本顎咬合学会認定医(かみあわせ認定医)
日本小児歯科学会会員
大阪sjcd、5Dksg、NHK、GPO、iors、OPI

